ヒムカの過去SS中盤戦!!またまた、血や暴力的表現ありで注意です!!!
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…
深海のソナー音のように聞こえる
瞼を開けるとそこは真っ白でそこは天国かと思えた
いや、天国と思った方が良かったのかもしれない
「やぁ、起きた?」
その言葉と共に現実に引き戻される
酸素マスクを付け、頭には包帯、体中管で繋がれ、まるで一つでも断ったら
生命線が切れるように一つは透明な液体一つは血のように真っ赤な液体
その時は流石に輸血と言う言葉は知らなくてぼんやりとだけど
死にたかった、としか思わなかった
が
酸素マスクに妨害され何も言えなかった
「あ、そうそう…君はもう家に帰らなくていいよ」
医者の一言にビックリしたと言うのがあるが自分の帰る場所はあそこしかない
「君はお父さんやお母さんから辛い思いをしただろう?
だから児童養護施設に入る事になったから
…勝手と思うかもしれないが許してくれ。君の命を守るためだ」
(守ってどうするんだ)
反発心からかとかじゃない
自分さえ居なくなったら済む問題じゃないか
大人にはどちらかとあきれていた自分が居て
失望していたに違いない
後々、先生によると、手や足の骨は折れていて
頭も強く打っていて、生死を彷徨っていたらしい
…どうせならこのまま殺してくれたらよかったのに
小学校6年に上がった時には腫れ物に触るように誰も俺に近づいてこなくなった
そのまま中学校に上がり、より一層一人で居る事が多くなった
一層スクールカーストが色濃くなる中、俺はどっちかと言うと敗者組らしい
そう言う事で絡まれた事も何度もあった
「おい」
「何」
言い返した瞬間にバケツの水を浴びさせられた
笑うクラスメイト
「お前、もう死んだ方が良いんじゃねぇ?」
「なぁ、皆でコイツをぼころうぜ?」
「さんせーい!!」
今を見れば哀れとも思えるような行為だ
残念ながら、俺は以前に親から虐待を受けていて痛みには、はっきり言って鈍感だ
それに、大人に力づくで何度も抵抗をしたかいがあってか他の奴よりは筋力あったようだ
別に自分が中二な考えってわけでもない、事実だ
そいつの拳を受け止めると、ぎょっとした顔をして
別の奴が殴りかかるがソイツの腹に蹴りを入れ
解かれた拳で俺を殴ろうとしたやつは顔面に俺の拳を入れる
以前、俺の生みの親父が武術、カリを教えてくれたのもあってか、すぐに倒してしまった
「お前…ちょーしにのんなよな…!!」
そう言って、ボス格がカッターを取りだした
教室は悲鳴が起こるが全員笑ってる
皆、ドラマの悪役を倒されるのを待っている
カッターを持ったまま突撃してきた奴の距離を一気に詰め腕を取り
カッターを奪い、それを首につきつけると教室は一気に静まり空気では氷点下よりも以下だろう
ヒーローが倒され、ボス格はがたがた震えながら俺を見ている
どうせ全員が見ているんだ、カッターを全員に見せつけ
カッターの刃をその場で折った
刃物だから左手が切れてしまった瞬間、チャイムが鳴る
カッターをその場に投げ捨て、先生が入ってくるのと同時に
俺は教室から出ていく、先生に「何処に行くの!!」と言われ無言で歩けば真っ赤な左手を見せる
分かってくれたんだろう、保健室に行く事を
保健室に行くと保険の先生が真っ青にして俺の左手を見てすぐに手当てしてくれた
「…何があったの?」
「いじめ」
「…誰が?」
「ウチで先生には良い顔をしてクラスメイトにはボス面してる奴」
保険の先生は色んな生徒と話す機会が多いからか誰だかすぐ分かったらしい
まぁ、噂になっても仕方ないか
「…成績も良いのにねぇ」
「一人でずっと居るからだろ」
「…こんなにも成績が良かったら軍学校にも行けるのに」
「軍学校?」
保険の先生も実は軍学校出身でそこの保険医を担当していたらしい
流石に歳だから、と言う事で引退してこの学校の保険医をしているらしい
「紹介してあげようか?
貴方、もう三年なのに進路用紙出してないって先生嘆いてたわよ?」
広告紙をみると訓練こそ厳しそうだが内容は自分の中で一番面白そうに思えて
一筋の光のようにも思えた
「…行ってみようかな。海軍に」